転職を考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは、大手エージェントや転職サイトではないでしょうか。
知名度が高くて安心ですし、多くの求人を提供してくれるため、実用性が高いからです。
しかし、世の中に中小規模のエージェントが存在する目的は何なのでしょうか。
それには理由があります。
大手と中小の違いを認識した上で、転職エージェントをより上手く使いこなすことを目的に説明していきます。
大手・中小エージェントと転職サイトの違い
転職エージェント・転職サイトの比較

新しい仕事を探すとき、その選択肢の多さに圧倒されることがあります。
大手転職エージェント、中小転職エージェント、転職サイトなど、仕事を見つけるために使われます。
それぞれの選択肢には長所と短所があるため、十分な情報を得た上で決断するためには、それぞれの違いを理解することが重要です。
大手転職エージェント
大手転職エージェントは、求職者と求人企業をマッチングさせるための幅広いネットワークとリソースを持つ昔からある企業です。
一般的に、幅広い求人情報を持っており、アドバイスやサポートを提供することができます。
しかし、大手転職エージェントは業務が機械的なため、求職者に最適な仕事を見つけられるとは限りません。
中小転職エージェント
中小転職エージェントは、提供できる求人数が少ないかもしれませんが、求職者のニーズに合わせてサービスを提供することができます。
求職者と一緒になって適切な仕事を探してくれます。
ただし、中小転職エージェントは、カウンセリングから内定までを一緒に行うので、一人で何でもやりたい方には不向きです。
転職サイト
転職サイトは、エージェントに依頼することなく、簡単に求人情報を探すことができるサイトです。
また、求人情報の種類も豊富で、無料ですぐにアクセスできる場合もあります。
ただし、掲載されている求人の質にばらつきがあったり、個別のアドバイスやサポートが受けにくかったりする場合があります。
それぞれの選択肢の長所と短所をよく吟味して、ニーズに合った最適な選択をすることが大切です。
転職エージェントが保有する非公開求人
転職エージェントは、求人情報には掲載されない「非公開求人」と呼ばれるものを管理しているのが一般的です。
企業が求人を出さない最大の理由は、優秀な人を雇用するためであったり、応募者への対応にかかる工数を削減するためと言われています。
私も会社の採用活動で、20代の人財を獲得するために求人を出したところ、応募者の半数以上が40代以上であったり、未経験者への対応に追われた苦い経験があります。
このようなことが無いよう、企業は転職エージェントに委ね、効率的な採用活動を行うために求人情報を「非公開」にすることがあります。
求人数の多さは圧倒的に大手転職エージェントの方が豊富
転職エージェントの力を借りなければ、公開されない非公開求人がたくさんあります。
大手転職エージェントは、大企業からベンチャー企業まで、豊富な求人情報を持っています。
しかし、中小転職エージェントの場合、新規求人開拓に避ける時間が少ないため、求人案件の量は少なくなります。
大手企業には豊富な就職先がありますが、転職できる会社は1社だけです。
大手の転職エージェントに比べれば、転職先の幅は狭いですが、中小の転職エージェントであれば、自分の希望する転職先があることは間違いありません。
中小の転職エージェントの魅力は、求人のマッチング精度
中小転職エージェントの魅力は、求人のマッチング精度の高さにあります。
大手転職エージェントは、企業や求職者ごとに割り当てられたコンサルタントがおり、分業化されています。
大手のコンサルタントは、求人企業に行ったことがなく、職場の雰囲気や、空気感がわかりません。
その背景の中、転職希望者の経歴や希望を聞いて条件に当てはまった求人企業を紹介することになります。
さらに、紹介する企業について、最低限の知識しか持っていません。
求職者がより詳細な情報を求めても、一般的な回答しか得られないのが現状です。
一方、中小のエージェントは、求職者と企業の双方を知っており、明らかにミスマッチを起こしている求人は紹介しません。
求人情報を提供してくださる企業様を直接訪問し、お話を伺うことで、訪問したことでしか得られない情報や雰囲気、空気感を得ています。
ホームページを見ただけではわからない、その企業ならではの良さを知ることが出来ます。
書類通過率も圧倒的に中小の転職エージェントが高い
人材業界に携わったことのある方なら、ご存知だと思いますが、書類選考の通過するポイントは、経験値がマッチしていることはもちろん、求人企業側の採用意欲が大切になってきます。
企業の採用意欲は絶えず変動しています。
一般的に、採用意欲が高ければ書類の通過率は高くなり、採用意欲が低ければ書類の通過率は低くなります。
大手の転職エージェントは求人数が膨大過ぎで更新が間に合わず、ひとまず多くの選考を進めるため、自然と書類の通過率が低いのは当然といえます。
もちろん、書類の通過率は転職エージェントによって幅がありますが、通常は大手転職エージェントで高くても20~30%
中小転職エージェントでは70~80%と、大きな差があります。
求人数なら大手、丁寧さなら中小転職エージェントがおすすめ
転職を成功させるためには、やはり信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。
転職は人生に大きな影響を与えるからです。
しっかりとした相談や、アドバイスが聞ける方が良いのは当然です。
大手転職エージェントは、知名度が高いため、定期的に相当数の求職者が集まってきます。
そのため、月に数十人以上の新規応募者と面談するので、わがままばかり言ってくる面倒な求職者や、職歴が良くない求職者に対しては、そこまで相手にすることができません。
初回の面談が終わると、求人が大量に送られてくるので、初めは「求人が沢山来るのでワクワク」しますが、途中でうんざりして投げ出してしまう転職者が多くいます。
その中で転職を焦って決めてしまうので、転職先で後悔する方が後をたちません。
色々相談して多様な視点を持ちたいけれども、自分の経験に自信が持てないという人は、中小の転職エージェントの方が親身に対応してくれます。
私の個人的な提案としては、目的に応じて、大手転職エージェント2社、中小の転職エージェント1社の計3社で構成されるのが良いと思います。