「モノづくり大国・日本」という言葉を聞いたことがありますか?
日本は、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキ、ダイハツなどの自動車メーカーや、ソニー、シャープ、東芝、パナソニックなどのテレビメーカーをはじめ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機、エアコン、スマートフォンなど、私たちの生活に欠かせない製品を生み出しています。
実は、iPhoneの重要な部品の一部も、日本のメーカーが製造しているのです。
はじめに 日本を代表する産業「モノづくり」
1 「モノづくり」の未来―進化し続ける成長分野
現代では機械化が進み、製造プロセスが効率的になっていますが、製品の品質を確認するのは人であり、機械を操作するのも人です。つまり、モノづくりには人が必要不可欠です。
モノづくりの世界は常に進化を続けており、私たちの生活や仕事を便利で豊かにするために製品が作られています。
車やテレビ、エアコンなど、人々が求める改善や高度化に対応するために、モノづくり分野はますます進化しています。
製品の品質を確保するためには人の手が必要ですが、現代では大型や小型のロボットが導入され、効率的な製造プロセスが実現されています。
しかし、人が欠かせないということは変わらず、これからもモノづくり業界は進化し続けていくことでしょう。
2 製造派遣とは
2-1 メーカーの頼もしいパートナー
「モノづくり企業」と聞くと、多くの人が自社のブランドの製品を作っている有名メーカーを思い浮かべるかもしれません。
実際には、そのメーカー自身で製品を作っている場合は少ないのです。
ほとんどの製品は、複数の企業や工場が協力して製造されています。多くの場合、メーカーは設計やブランディングに注力し、製造はサプライヤーや委託先に委託することが一般的です。
つまり、一つの製品を作り出すためには、多くの企業や工場が力を合わせて製造しているということです。
製品を完成させるには、設計者や部品製造者、組立作業員、塗装担当者、品質管理者など、多数の人々が関わっています。
しかし、これらの人々をすべて自社の従業員として雇うことは簡単ではありません。
そのため、多くの企業が「製造派遣会社」という助っ人企業を利用しています。
製造派遣とは、モノづくりの一部または全部を他社に委託することで、クライアント企業に代わってプロフェッショナル集団がモノづくりを手がけます。
ちなみに、「派遣」という言葉が使われていますが、製造派遣会社で働く場合は、基本的には「正社員」雇用です。
2-2 実は大企業揃いの製造派遣会社
製造派遣企業は、モノづくり業界において非常に重要な役割を担っています。
例えば、「アウトソーシング」グループは、社員数が93,000人以上で、売上高は約3,600億円で、東証一部に上場している大企業です。
また、2位の「ワールド」グループ、3位の「UT」グループ、4位の「日研トータルソーシング」社も、それぞれ20,000人以上の社員数を抱えており、多くの上場企業が存在しています。
一般的にはあまり耳にしない存在ですが、大手メーカーとほぼ同等の企業規模を持っています。
また、福利厚生も充実しており、手当やボーナスもメーカーと同等レベルとなっています。
3 詳しく知る製造派遣
3-1 モノづくり現場の「今」
「モノづくりの現場」と聞くと、昔ながらの小さな町工場を思い浮かべる人もいますが、今回紹介する製造派遣の現場は全く異なります。
製造派遣とは、大手有名メーカーの製造現場で働く仕事です。
各社が持つ製造拠点には、広大な敷地に巨大な工場が建ち、そこには長い製造ラインが何本も設置され、最新の製造機械が並んでいます。
製造派遣企業には、クライアント企業の製造拠点に出向いて作業を行うだけでなく、自社の開発拠点で製品を作る企業もあります。
モノづくりのメーカーと同じような立場であり、クライアント企業のパートナーとして活躍しています。
3-2 製造現場の多彩な仕事
「モノづくりの現場」というと、部品を組み立てる製造ラインに立つイメージを持つ人がいるかもしれません。
確かにそれも正しいですが、それはモノづくりの工程のごく一部に過ぎるのです。
モノづくりの始まりは「何を作るか」を考えることから始まります。
お客様の要望や既存の製品の問題点を考慮して、どのような商品を作るかを決めます。
次に、それを図面に落とし込んで「設計」をします。
必要な部品は部品メーカーから調達し、新たに開発を依頼することもあります。
集まった部品は「加工」され、そして「組み立て」されます。
完成品は「品質保証」によって厳密に検査され、品質基準をクリアしている場合には完成します。
この工程の多くは機械化されていますが、マシンオペレーターや生産技術者など、人間の手で仕事をする必要があるポジションもあります。
それぞれの仕事には異なる役割や適性が必要ですが、モノづくりの現場には様々な仕事が存在していることを覚えておいてください。
4 製造派遣で働く魅力
4-1 憧れの大手企業で働ける
前述したように、製造派遣企業は主要なクライアントとして有名な大手メーカーを抱えており、モノづくりが日本の主要産業から外れることは当分の間起こり得ないため、業界は安定しています。
そのため、企業規模も大きく、何千人や何万人もの社員を抱え、売上高も数百億円や数千億円という大企業も存在しています。
多くの企業が上場しており、大手企業での就職は安心感があるため、魅力的な選択肢となるでしょう。
4-2 待遇ももちろん充実
大規模で安定した売上・収益を誇る企業は、従業員の待遇や福利厚生にも期待できることが多いです。
未経験からの入社で初めは基本給が低くても、ボーナスや各種手当が充実しているため手元に残るお金は少なくありません。
さらに、長期的に働くことを考えると、着実に昇給することもできるため、長く働くには理想的な環境と言えるでしょう。
4-3 コツコツタイプの仕事
もし「営業職は向いていないけど、転職で収入を増やしたい」と考えているなら、オススメできる仕事があります。
その仕事は、ガツガツした営業とは異なり、着実に経験を積み上げていくことができます。
コツコツと取り組み、着実に成長していけるので、無理をすることなく働くことができ、安心感も感じられます。
4-4 入社のハードルは意外と低い
入社するにはハードルが高いかもしれないと思うかもしれませんが、実際は経験や学歴に自信がなくても、十分に採用される可能性があります。
なぜなら、この会社は多くの技術者を採用しているからです。
採用人数が多いということは、すぐに辞めてしまうからではなく、会社が多様な技術者を求めているからなのです。
多くの技術者が集まることで、会社としても収益を生み出せるため、積極的に採用しているのです。
4-5 中途入社でも安心の研修体制
加えて、モノづくりには熟練した技術者が必要であるため、製造派遣企業では徹底した教育体制を整えているところが多いです。
未経験の方でも安心して入社できるよう、きちんとした研修プログラムを用意しており、何千人もの技術者を育て上げてきた実績があります。
そのため、中途採用で入社する方にも十分なサポートを提供できるのです。
5 製造派遣に向いている人とは
●「リスクを取って挑戦」ではなく、堅実に生きていきたい人
この企業は実力主義・成果主義ではなく、少しずつ経験を積んでスキルアップし、堅実に地道に働いていくことで、給与や役職が上がっていく環境です。
つまり、実績さえ上げれば給与が上がるわけではなく、しっかりとスキルを磨いていくことが大切です。
ですが、その分、安心して働ける環境であると言えます。
●コミュニケーション力より、素直さ・真面目さ
この仕事には、営業職のように話術やトークスキル、ヒアリング力や臨機応変さが必要とされるわけではありません。
むしろ、一つひとつの作業の目的や背景をしっかりと理解し、与えられたミッションに対して丁寧に取り組める方にとってはぴったりの仕事です。
口下手や話下手でも問題ありませんので、安心して取り組むことができます。
●大手・安定企業を目指している人
この業界には、既に確固たる基盤を持つ会社や株式市場に上場する企業が多くあります。
そのため、安定した企業を求める方には最適な選択肢の一つと言えます。
採用にも積極的で、幅広い分野で活躍する技術者を求めているため、大手企業に憧れはあるけれど、経験や学歴が不足していると諦めていた人にもオススメです。
6 最後に
「製造派遣」と聞くと、ただの派遣社員の一種と思っていた方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
この記事を読んで、そうした誤解が解けたかもしれませんね。
製造派遣は、今後ますます需要が高まるモノづくり分野で、注目されるビジネスの一つです。
さらに、安定した企業に就職できる業界の中でも、製造派遣は入社しやすい分野と言えます。
ぜひ、注目してみてください。