日本の長寿企業について気になったことはありませんか?
企業の平均寿命は一般的に30年と言われている中で、設立から100年以上経過するのは非常に難しく、容易なことではありません。
持続難しい中、日本は長寿企業大国とも言われ、創業から100年を超える企業が世界と比較しても圧倒的に多いのが現状です。
今回は、100年以上続く企業について、特徴や共通しているポイントについて紹介していきます。
この記事で学べること
- 100年企業の数が世界で一番多い日本
- 100年続いている日本企業の一部を紹介
- 100年企業に共通している特徴
- 100年以上続く日本の長寿企業の重要性
100年以上続く日本の企業
100年企業の数が世界で一番多い日本
日経BPコンサルティング・周年事業ラボの調査によると、2020年3月時点での日本の100年企業は3万3076社にものぼります。
世界の創業100年企業の数が8万66社なので、日本の100年企業は世界全体でも41.3%と世界で最も多くなっています。
また、200年以上に絞ると65%と圧倒的です。
100年続いている日本企業の一部を紹介
日本国内には30,000件以上も100年企業があります。その中でも知名度の高い企業を紹介していきます。
企業理念や特徴なども合わせて紹介していくのでチェックしてみてくださいね。
ハウス食品株式会社

ハウス食品株式会社は、カレーのルーを主力製品として、食卓に欠かせない商品を製造・販売している日本の大手食品メーカーになります。
創業は、1913年で大阪の創業者である、浦上靖介さんが薬種原料問屋「浦上商店」が始まりです。
「食でつなぐ、人と笑顔を。」というキャッチコピーが印象的で、テレビCMなどで見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。
創業から100年経過した現在では、食卓に欠かせない商品を販売しています。
キューピー株式会社

キューピー株式会社は、マヨネーズをはじめ、家庭に欠かせない調味料の製造・販売している日本の大手食品メーカーになります。
1919年に創業された企業で、主力商品であるマヨネーズは、キューピー創業者である中島董一郎さんが、アメリカに留学したいた際にマヨネーズに出会ったのが最初です。
その後、1925年に日本国内で初めてマヨネーズ(キューピーマヨネーズ)を販売しました。
キューピー株式会社の社是は楽業偕悦(らくぎょうかいえつ)。同じ目的を持った人が仕事を楽しみ、困難や苦難を分かち合ながら悦びを共にするという考え方です。
キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングスは、ビールメーカーのキリンビール、清涼飲料水メーカーのキリンビバレッジなどを傘下に持つ日本のホールディングス会社になります。
創業の1870年以来、グループ会社を含め、様々なヒット商品を製造してきました。
2021年の末からは、協和発酵(きょうわはっこう)バイオから健康食品等の通信販売事業を譲受し、「キリン協和発酵バイオ通販」として事業を開始しています。
サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングスは、アルコール製品・清涼飲料水などの日本大手飲料水メーカーです。
1899年に創業された企業で、創業者である鳥井信治郎さんが大阪に鳥井商店を創業したのが始まりです。
創業以降、ビールをはじめとしたアルコール製品の製造をメインにしてきましたが、1980年に入ると清涼飲料水の製造にも力を入れて一定の地位を築いています。
任天堂株式会社

任天堂株式会社は、ゲームソフトをはじめ、玩具やコンピューターゲームの開発・製造・販売をしている大手家庭用レジャー機器メーカーになります。
1889年に創業された企業で、ゲーム機器のイメージが強いですが、創業当時は花札の製造を行っていて、トランプを日本で初めて製造した会社でもあります。
任天堂株式会社は、「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」という企業理念を掲げており、『スーパーマリオブラザーズ』が世界的にヒットしました。
現在では、ゲーム機やゲームソフトを開発する会社として広く認知されるようになっています。
株式会社資生堂

資生堂は、主に化粧品を製造・販売している大手化粧品メーカーになります。
化粧品以外にも、日常生活に欠かせない商品をいくつも販売しています。
1872年に創業された企業で、創業者である福原有信さんが東京・銀座に「資生堂薬局」創業したのが始まりです。
日本国内の化粧品シェアで第1位であり、世界シェアでは第5位となっています。
100年企業に共通している特徴
日本には3万件以上の100年企業がありますが、100年継続する企業は本当にごくわずかです。
100年継続している企業にはいくつか共通している特徴があるので紹介していきます。
共通している特徴
- 常識に捉われない革新的なことをしている
- 社員を大切にしている
- 業界内だけではなく地域へも貢献している
常識に捉われない革新的なことをしている
安定したイメージや現代の常識とも言えることをしていますが、創業当時は業界の常識を覆すような革新的なことをしています。
世の中から批判を受けても継続してチャレンジすることによって、同業界内で確固たる地位を築いているのです。
常識の枠を取り払って新たなことにチャレンジし続ける事が、100年経営できる企業に共通している要素と言えます。
社員を大切にしている
当たり前のことかもしれませんが、社員を一人一人を大切にしているのも長寿企業に共通している要素です。
社員が居心地が良い・働きやすいと感じる企業の雰囲気が、会社を長期間運営する上で大切な要因となります。
また、社員がいなかったら会社が成り立たなくなってしまいます。
社員一人ひとりを仲間・家族として捉え、その幸せを想う姿勢が100年企業に根付いているようです。
業界内だけではなく地域へも貢献している
日本各地で活躍していた近江商人が大事にしていた考え方で、「買い手良し・売り手良し・世間良し」という考え方があります。
これは買いてである顧客や売り手はもちろん、世の中にとっても良い影響を与えなければという考えです。
この考え方は、長く続いている企業の多くが前提としている考え方です。
老舗企業は世の中はもちろん、身近な地域社会への貢献や自然や地球への取り組みにも精力的に取り組んでいるのです。
100年以上続く日本の長寿企業の重要性
日本には100年、200年以上続く長寿企業が世界的に見ても圧倒的に多く存在します。
日本の企業は、ビジネスを単に金儲けと捉えるのではなく、「三方良し」の精神という考え方があります。
「三方良し」とは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」のことです。
自社だけではなく、お客さまと、周囲を取り巻く環境まで「よし」としてこ、企業であるという共存共栄の理念が広く浸透しています。
また、世界的に見ても日本企業は社員の教育にも熱心です。
長期的視点で、人財を見極め、時間をかけて教育を行います。
お金や資産だけではなく、人から人へ受け継がれる技術や、ノウハウの蓄積が企業の独自性が培われます。
日本企業は、経営に対する取り組み方や理念が受け継がれ、長寿企業を生んでいると考えられます。
現在は、海外企業の経営理念やビジョンの構築にも魅力を感じると思いますが、日本企業ならではの良さも大切に残して行くことで、これからも多くの長寿企業が生まれることを祈ります。